一期一会 「今を大切に生きる」

生まれてきたことに感謝、生きていることに感謝、一生に一度限りの今に感謝。

Go for Broke! ~南の風が伝えた物語~

Japanese Flag Hawaiian Flag American Flag 

ちょっとした機会があり、鎌倉で映像プロデューサーをしていらっしゃる松元裕之さんが情熱を持って制作に取り組んでいらっしゃるプロジェクトについて話を聞かせていただきました。それは「もうひとつの日本史」的なニセイヴェテランズ(日系二世の退役軍人)のオーラルヒストリーのドキュメンタリーです。

現在すでに85歳以上となっている日系二世のオーラルストーリーをインタビュー撮影して、日本に紹介するそうです。これは長年ハワイに住んでいながら、日系二世の方たちのことをよく知らない私にとっても、とても興味深いものです。

作品の利益は日系子弟の文化的援助のために使われ、まずはマウイ島のニセイ・ヴェテランズ・メモリアル・センター(Nisei Veterans Memorial Center)が運営しているカンシャ・プリスクールKansha Preschoolという幼稚園を支援するそうです。ニセイ・ヴェテランズ・メモリアル・センターはアダルト・デイ・ケア(Adult Day Care)も運営していて、幼稚園児とシニアの方々が、毎日一緒に過ごす時間があるそうです。

日本人が労働者としてハワイへ移民するようになったのは1885年。カラカウア王の時代でした。今年2010年で日本人移民開始から125年になります。一世の方々の苦労も並たいていではなかったですが、二世の方々は一世の苦労を目の当たりにしただけでなく、大変複雑な立場にあり、違った苦労があったことでしょう。

第二次世界大戦では、アメリカ合衆国の陸軍において、ほとんどが二世たちで編成された部隊、第100歩兵大隊I(100th infantry battalion)と442連隊戦闘団(442nd Regimental Combat Team)が勇ましく戦い活躍しました。激闘で多くの犠牲者を出しましたが、多くの勲章を受けました。

このドキュメンタリーの内容は、

・子供のころ目の当たりに見ていた一世の苦労と戦前の日系人社会
・真珠湾攻撃による開戦で、日系人社会はどのような状況に置かれたのか
・親や家族のために、日系人の社会生活回復のために、志願して戦地に向かった心情
・激戦地での悲劇と犠牲
・戦後に待っていた社会的地位底上げの運動
・それにより失われてゆく「Nikkeijin」としての意識
・今後の世代に対し、また社会に向けてのメッセージ

などだそうです。松元さんは二世の記憶をまとめて、彼らが体験してきたことを通し社会へのメッセージを伝えたいそうです。

去年(2009年)ハワイに取材に行られたときの素材を中心にショートムービーとして映像にまとめられたものがYouTubeで公開されています。取材の様子を中心に、日系人の移民の様子や日系人部隊の厳しい戦歴など、企画概要を纏めた内容となっています。

Go for Broke! ~南の風が伝えた物語~前篇
http://www.youtube.com/watch?v=4DdnLOaF5d8


Go for Broke! ~南の風が伝えた物語~後篇
http://www.youtube.com/watch?v=wYArAoIuwpM


私はこのショートムービーを観て感動のあまりに涙がでました。「ハワイも日本の経済状況はまだまだ厳しい現状ですが、撮影対象者の年齢のことを考えると、今、残さなければならないものとの想いが強くなります。」という松元さんの言葉が胸に沁みます。

Go for Broke! ~南の風が伝えた物語~のブログ
http://ameblo.jp/niseiveterans-movie/

第二次世界大戦で戦った二世(日系アメリカ人)たちについてもっと知りたくなりました。Go For Broke National Education Centerというアメリカの非営利団体があることを知りました。この団体のウェブサイトはとても充実していて大変参考になります。このサイトでは登録しなくても見ることができるビデオがたくさんありますが、登録すれば現在(2010年4月)700人のインタビューの録画を見ることができます。

私はアメリカ本土に住んでいたときも、こちらハワイでも人種差別を受けたことが一度もありません。日本人であるがために得をしたことはあっても、損をしたことはないです。それはこれまでの日系人たちの作ってくれた環境のお陰なのですね。特にハワイでは日系人が多く(1940年には日系人が37%を占めていたそうです)、他の東洋系の人種も多いため、居心地がよいのかもしれません。

アメリカ本土の日系人が受けた差別について、これまであまり考えたことがありませんでしたが、Go For Broke National Education Centerのサイトにあるインタビューのビデオなどで少し知ることができました。去年の7月に長女とサンフランシスコに行ったときに、中国系アメリカ人のホテルの女性や、何系かわかりませんが東洋系のバスの運転手が、私たちに必要以上に特別に親切にしてくれたのは、マイノリティーへの差別が強かった社会で生きてきた人たちのサバイバルのための習慣なのかなと思いました。

松元さんによる二世の方々のインタビューでは、また違った角度からの質問や、それに対する話が聞けるのではないかと楽しみにしています。

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4 Comments

Kumiko  

Mitchanへ、

25年前にインタビューをしたときの記録って、とても貴重オーラルヒストリーですね。

2010/05/05 (Wed) 00:35 | EDIT | REPLY |   

mitchan  

今から25年前、ダウンタウンの大学に通っていました。
ある時、英語のクラスで興味のある事柄についてペーパーを書くという課題が出され、私は Concentration campについて書く事にしました。トピックを決めた後、先生が取材ソースとして実際にキャンプを体験した方々を紹介してくださり、インタビューをしてペーパーを書きました。ペーパーの出来自体は思い込みの多い、ほめられたものではなかったと記憶していますが、当事者の方々から直接聞く事ができた事は、今思えばとても貴重な経験でした。

同じひとつの事柄であっても、それを経験した人それぞれに、その体験や感じ方は異なり、そしてそれはその人がいなくなれば永遠に失われてしまう。

私がインタビューさせていただいた方々も、その当時でさえかなり高齢でいらっしゃいました。「今、行動しなければ」という松元さんのお気持ちに深く共感しますし、それを実際に行動に移されている事に敬意を表します。

2010/05/04 (Tue) 02:08 | EDIT | REPLY |   

Kumiko  

Yumiさんへ、

私たちは現在とても恵まれた世の中に住んでいますね。深謝。

2010/05/03 (Mon) 09:01 | EDIT | REPLY |   

Yumi, H  

Hibino Yumiです。ご無沙汰してます!「ハワイ島~~」のページにおじゃました後、こちらものぞかせていただきました。
もう、何年(何十年)も前に、日本のTVドラマでアメリカ本土の日系2世の第2次世界大戦時の話を見たことがあり、そのドラマを通してですが、当時の苦労を垣間見た気がしました。また、明治の時代の移民の方々の苦労、特にパラグアイの人の話を聞く機会があり、ハワイに移住した人達の苦労を想像しました。以来、私の中では、それらの歴史を意識せずにアメリカやハワイを見ることが出来なくなっています。もちろん、想像するだけの、希薄な感情ではあるのですが、心の中で手を合わせ、感謝と、謙虚な気持ちを持って島と人々に接するように心がけたいと思うのです。

2010/05/03 (Mon) 07:35 | EDIT | REPLY |   

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Category: 日々の出来事&思った事